実りの秋、今年は天候不順で米の収穫量は悪かったそうだ。それでも、1年分の米を譲ってもらい、雪国の堅牢な家の座敷で、手作りの昼食をもてなされ、ゆっくりとした時間を共有した。
新潟の米農家、周囲は山に囲まれ、冬は豪雪に閉ざされる。小学生も中学生もいない。
しかし、そこには清らかな水と空気がある。昼と夜の寒暖差が米の甘さにつながるそうだ。そして、何よりも丁寧な仕事をコツコツ積み重ねている。
その農家の父さんと母さんの人柄に惹かれ毎年、東京からこだわりの米を買うことにこだわりを持っている。ガソリン代や高速代を使ってまで行くなら送ってもらうほうが安いだろうという考えも当然あるだろう。でも、作り手の顔や田んぼを直接見ると、美味しさも倍増するのだ。
10年ほど前からは、静岡の友人家族との旅行を兼ねるようになり、なくてはならない年中行事になった。
農家のご夫婦も80歳を超え、こちらの顔にも年々シワが増えている。今年も、いつもの米を買うことができて良かった。そして、「また、来年」の合言葉で手を振りあった。