盆栽づくりに、針金が使われるようになったのは何時頃からなのでしょうね。最初は、山から風雪で曲がった木を取ってくるか、枝に石を括り付け引っ張ったり、様々な工夫がなされてきたのでしょう。
針金といっても、盆栽初心者の私はアルミ線一択です。盆栽職人は細くて強い銅線を使いますが、なんせ硬くて巻きにくいし、巻いた後に曲げを付けるので、外すのは巻くとき以上に時間が掛かります。
一方、アルミ線は柔らかいので、太くても曲げやすいし、外すのも楽です。針金は細いものほど食い込みやすいですから、その点でも有利です。でも、若木は成長が早いので、アルミ線であっても油断は禁物です。
石化ヒノキに、この春に巻いたアルミ線も、気が付けばこの有様です。でも、アルミ線を掛けなければならない理由があります。この木は、アルミ線を曲げるためにではなく、真っ直ぐにするために使用しています。
それと、アルミ線を使わなければならないもう一つの理由が、枝を八方から出させるためです。もともと、この木は左側の木の剪定枝を挿し木したもの。枝なので、左右にしか葉が出ません。
そこで、枝にアルミ線を掛けて、ねじり上げています。そうすることで、左右からだけが360度の方向から芽が吹いてくるという狙いです。右の2本の苗は、挿し木から3年で、そのまた3年後には左の木のように成長するはずです。