ミョウガはヤブ蚊の巣なので、できれば近寄りたくありません。でも、夏の暑さで食欲が下がる頃、さっぱりとした風味は最高の薬味です。ヤブ蚊に食われながらも、ちょくちょくと成長具合を確認していたつもりですが、気が付けば大きくなり過ぎたものばかりでした。自宅消費ですから、これでも十分ですけどね。
ソーメンなどの麺類の薬味に、そしてキュウリやシソとともに漬物にしました。どれも、我が家の庭から調達したもので一品が完成です。
父親が元気な頃、ミョウガを見ると必ず落語の話をしてくれました。昔々、宿泊客が大金を持っていることを知った、宿屋の主がその大金を持ち忘れてくれるように、ミョウガ料理をたくさん提供したそう。お客は、そのミョウガ料理をよろこんで食べたということ。
物忘れの元というミョウガをあれだけ食べれば、大金を忘れていくだろうと目論んだわけですが、翌朝、お客は大金をしっかりと持って出発してしまった。しかも、宿代を払わずに出掛けてしまい、宿屋の主は二度落胆したという話でした。
父親の話の記憶なので、オリジナルの落語とは異なる部分があると思いますが、ミョウガを見ると父親のことを思い出します。